ウォブリング機能・溶接について
ウォブリング溶接とは、2つのガルバノミラーが搭載されている溶接トーチを用いて、レーザー光を2次元的に走査させる溶接のことを指します。SLW700/SLW1500/SLW2000(標準トーチ)は、1つのガルバノミラーが搭載されており、レーザー光が直線になります。
一方で、SLW2000のオプションのウォブリングトーチやSLW2000Rは2つのガルバノミラーが搭載されているため、直線に加えて円形や8の字等を描くことができ、母材の特性や部品の形状によって適した形状の溶接モードを使い分けることができます。
ウォブリングありの溶接とウォブリングなしの溶接ではどんな違いがあるのか、下の比較表でご説明します。
ウォブリングなし | ウォブリングあり | |
構造 | レーザー光の走査が1次元 | レーザー光の走査が2次元 |
溶け込み | ウォブリングありに比べてムラがある | 溶け込みが均一 |
溶接モードの種類 | 直線のみ | 直線、円形、8の字等 |
異材溶接 | 可 | 得意。加工が難しいアルミにも対応。 |
お持ちの母材や求める仕上げにおいて多くの選択肢を持ちたいという場合には、ウォブリング機能があるレーザー溶接機がおすすめです。
ウォブリング溶接による溶接モード例
ウォブリング機能による溶接モードにはいくつか種類があります。これらは溶接時の溶け込み形状や走査線の動きに違いがあり、お持ちの母材や部品の形状、特性、また求める加工結果に応じて、どのモードを使用するかを選ぶことができます。
半円形
半円形の軌道を描きながら溶接します。半円形の動きによって、均一な溶け込みと熱の分布が均等化されることが期待されます。特にアルミの隅肉溶接に適しています。
8の字
数字の8の字を描きながら溶接します。溶接範囲の両側に重複してレーザーを照射するため、溶け込みが深くなり強い強度が期待できます。外角や隙間が大きい場合におすすめです。
三角
三角形を描きながら溶接します。熱分布が均等なため素材や溶接箇所に左右されずに使用できます。
楕円形
楕円形で横幅を広げながら溶接します。ワイヤーを使用しないアルミの溶接に向いています。
円形
走査線が円を描くように溶接します。このモードは、L字やT字の隅溶接に適しています。円形の動きにより熱分布が均等になり、溶接欠陥の軽減が期待できます。
直線
左右に線を描きながら溶接します。突合せ溶接に適しています。