PL950における金属ヒューム対策について
溶接ヒュームについて
PL950を使用し金属の溶断を行う際には溶接のヒュームが発生いたします。
溶接ヒュームとは高温を用いて金属を溶かす際に発生する金属の粒子です。溶接ヒュームは労働者に神経障害等の健康被害が発生する恐れ等から、厚生労働省により特定化学物質障害予防規則(特化則)として健康障害防止措置が義務付けられています。
PL950を使用される場合には下記説明をよくご確認いただき、環境の整備をお願いいたします。
対策について
1.全体換気装置による換気等 (特化則第38条の21第1項)
施設内全体を換気する装置が必要となります。
2.溶接ヒュームの測定とその結果に基づく呼吸用保護具の使用及びフィットテストの実施等 (特化則第38条の21第2項~第8項)
溶接方法や作業場所の変更、材料や母材の変更が溶接ヒュームの濃度に大きな影響を与える場合には、空気中の溶接ヒュームの濃度の測定等の措置を講じる必要があります。
濃度が高い場合には換気装置の風量の増加や対処が可能な呼吸用保護具の着用、面体を有する呼吸用保護具の場合には1年に一度適切に着用されているかの確認(フィットテスト)が必要となります。
3.掃除の実施(特化則第38条の21第9項)
作業環境の床を毎日一回以上、水洗などの再度粉塵が空気中に飛散しない方法で掃除する必要があります。
4.特定化学物質作業主任者の選任(特化則第39条~第42条)
「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を修了した者のうちから作業主任者を選任する必要があります。また、作業主任者は下記項目を行う必要があります。
・作業者が対象物に汚染され吸入されない作業方法の決定や現場の指揮
・全体換気装置等労働者が被害を受けないための設備点検を、1カ月を超えない期間ごとに行う
・保護具の使用状況の監視
5.特殊健康診断の実施等(特化則第39条~第42条)
溶接ヒュームを取り扱う作業に常時従事する労働者に対しては6カ月以内に1回、健康診断を行う必要があります。また、健康診断に関連して行っていただくことがあります。
●健康診断の結果、他覚症状が認められる者等で、医師が必要と認めるものに対し、規定の事項について健康診断を実施する(2次健診)。
●健康診断の結果を労働者に通知する。
●健康診断の結果(個人票)は、5年間の保存が必要。
●特定化学物質健康診断結果報告書(特化則様式第3号)を労働基準監督署長に提出する。
●健康診断の結果異常と診断された場合は、医師の意見を勘案し、必要に応じて労働者の健康を保持するために必要な措置を講じる。
6.その他対策等
①労働者を新たに雇い入れたときや、労働者の作業内容を変更したときは、労働者が従事する業務に関する安全または衛生のため必要な事項について、教育を行う。(安衛則第35条)
②対象物に汚染されたぼろ(ウエス等)、紙くず等を、ふた付きの不浸透性容器に納めておく。(特化則第12条の2)
③作業場所の床は、不浸透性のもの(コンクリート、鉄板等)とする。(特化則第21条)
④関係者以外の立入禁止と、その旨の表示を行う。(特化則第24条)
⑤対象物を運搬、貯蔵する際は、堅固な容器等を使用し、貯蔵場所は一定の場所にし、関係者以外を立入禁止にする。(特化則第25条)
⑥休憩室の設置(特化則第37条)
⑦洗眼、洗身またはうがいの設備、更衣設備、洗濯のための設備を設ける(特化則第25条)
⑧対象物を製造・取り扱う作業場での喫煙・飲食の禁止と、その旨の表示を行う。(特化則第38条の2)
⑨金属ヒュームに対して有効な呼吸用保護具を作業場に備え付ける(特化則第43条、第45条)
まとめ
より詳細な対策方法については厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署が公表している金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられますよりご確認くださいませ。上記案内に従い、労働者が健康で日々の仕事に従事できる環境を整えていただくようお願いいたします。
引用元 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 金属アーク溶接等作業を継続して屋内作業場で行う皆さまへ