レーザー発振器の違いについて
LM110Cはレーザー発振機を通常(Qスイッチ)とMOPA型、MOPA型100Wの3つから選択することができます。加工可能素材は同一ですがいくつか異なる部分があります。
標準(Qスイッチ)
一般的なファイバーレーザーの発信器であり最も安価なのがこのQスイッチという種類です。金属の加工はもちろん、一部の樹脂にも加工が可能です。
MOPA型
Qスイッチに比べ、加工時のパラメータをより幅広く設定することが可能です。「周波数」はより設定できる範囲が広くなり、「パルス幅」というパラメータを調整することができます。その結果、加工材料への加熱量が調整できるため、Qスイッチ型に比べ、均一で高い品質のマーキングを実現できます。※回転軸を使用する場合、加工時の最高スピードが低下します。
0.1mmと極細加工が高精度に
MOPA型はダメージレスかつ高ピークパワーのため、描画後の線幅の広がりが抑えられ、線幅が従来比で約1/2となり、全体的な印字品質が格段に向上しました。それにより、従来機種では成しえなかった0.1mmの極小文字も印字が可能となりました。
※上:LM110Fで刻印した線、下:LM110Mで刻印した線
樹脂にもハイコントラストに印字
LM110Cでは、金属の他、樹脂素材に対しても、熱の影響を少なくしてシャープな印字が可能になりました。また、レーザー出力の瞬発力が高いため、線と線のジャンプ後のレーザー出力までの待ち時間を短縮することができ、印字時間の短縮と印字品質向上の両方を実現することができます。
インク要らずで鮮やかなカラーマーキング
ステンレスやチタン限定になりますがカラーマーキングが可能。パルス幅、周波数を個別に設定することで、マーキング時のコントラスト微調整が可能となり、金属に対して色を付けて美しく仕上げることができます(同じパラメータを使用しても素材によって発色が異なります)。
MOPA型100W
MOPA型の特徴はそのままに、レーザーのパワーが100Wになった発振器です(QスイッチとMOPA型は30W)。レーザーパワーが高くなると加工スピードを早く設定することが可能なため、加工時間の短縮が見込まれます。また加工エリアが300mmの場合、レーザーが素材に到達するまでに減衰してしまいますが、MOPA型100Wは減衰してもなお強いレーザーパワーを維持できるので、広い加工エリアを使いたい方におすすめです。※回転軸を使用する場合、加工時の最高スピードが低下します。