HL650/HL650RとLC950の違い
HL650/HL650RとLC950は同じCO2レーザーという種類のレーザー加工機です。加工できる素材は同じですが、仕様や機能などが異なります。
仕様
HL650R | HL650 | LC950 | |
---|---|---|---|
レーザー発振器 | 金属管 60W | ガラス管 80W | ガラス管 80W |
加工エリア | 650×450 | 650×450 | 950×650 |
最高速度(X) | 90000mm/min | 48000 mm/min | 48000 mm/min |
最高速度(Y) | 39000 mm/min | ||
最高加速度(X) | 50000 mm/s2 | 50000 mm/s2 | 50000 mm/s2 |
最高加速度(Y) | 4000 mm/s2 | 1000 mm/s2 | 3000 mm/s2 |
モーションシステム | サーボモーター | ステッピングモーター | ステッピングモーター |
本体サイズ | 幅1400×奥行1050×高さ1130mm | 幅1400×奥行1050×高さ1130mm | 幅1776×奥行1150×高さ1100mm |
重量 | 300kg | 300kg | 250kg |
加工可能素材高さ | 0-230mm | 0-230mm | 0-80mm(底板を外すと約800mm) |
連続使用時間 | 制限なし(レーザー発振器が高温になると一時停止する) | 30分 | 30分 |
消費電力 | ≧3400W | ≧1000W | ≧1000W |
電源 | 単相200V 17A | AC100V 10A | AC100V 10A |
冷却方式 | 空冷 | 水冷 | 水冷 |
HL650とLC950の加工結果の違いについて
刻印の綺麗さやカットの精度などはHL650Rが一番高いです。詳しくはHL650R/HL650の違いについてをご覧ください。
ここではHL650とLC950の加工結果の違いについてご紹介します。
まず、HL650とLC950は同じガラス管80Wのレーザー発振器を搭載しているため、加工できる素材の種類や切断できる板厚などは全く同じになります。ただ、一部部品が異なること、エアーアシストの調整機能の有無によって、アクリルの切断結果に影響があります。
ギアについて
HL650とLC950は使用しているX軸のギアが異なり、アクリルの切断面に大きく影響します。アクリルを切断すると切断面にスジが入ることがあり、HL650はこのスジを少なくするためのギアを搭載しています(下記写真①)。一方、このギアを搭載することによって高速での刻印加工に若干のぶれが生じてしまうため、LC950に比べHL650は加速度を落として加工する必要があります(加工時間が若干伸びる)。
エアアシストの調整機能
素材から炎が上がることを防ぐために、エアーを吹き付けながら加工を行うエアアシスト機能が両機種ともついています。ただ、アクリルを切断する際にエアーを強く吹き付けてしまうと切断面の上部に白いスジが入ってしまいます。HL650はエアアシストの風量調整機能があるため、エアーの風量を最小にすることでこのスジの発生を軽減できます。下記写真②。
▲HL650のほうがスジが軽減され白いスジもありません。
機能の違いについて
HL650/HL650Rは、カメラ機能や加工ベッドの高さ調整機能など様々な便利機能が搭載されています。前述したようにエアアシスト機能もあるため、加工機の使い勝手などから考えるとHL650/HL650Rをおすすめします。 ただ、LC950もメリットが多くあり、加工したい素材やお客様の設置環境によってはLC950をおすすめします。いくつか例を挙げます。
加工エリアの大きさ・加工可能な素材の高さ
単純に加工エリアはLC950が大きく、底板を外すことで最大800mmの高さの素材も加工することが可能です。加工したい素材が大きい・高さがある場合はLC950をおすすめします。
設置場所への移動経路の制限
HL650/HL650Rは幅148×奥行119×高さ126cmという大きい木箱で梱包されています。一方、LC950は架台を組みててる必要があり手間な部分がありますが、本体は幅164×奥行131×高さ45cm、架台は幅164×奥行131×高さ34cmという梱包サイズのため、エレベータのない建物の2階に人力で上げることも可能ですし、扉が狭い部屋にも製品を縦にすることで搬入が可能です。
価格が安い
LC950はとHL650は価格差が約26万円あります。少しでも安くレーザー加工機を手に入れたい場合はLC950をおすすめします。