安全衛生教育について
レーザー光線の性質、危険性及び有害性
レーザー光線の性質について
Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字を取ったもので、誘導放射による光増幅という意味があります。
レーザーの性質として以下のような特徴があります。
- 単色性に優れる=純粋な1つの光の波長。
- 指向性に優れる=平行光で広がりなく進む。
- 干渉性が高い=光の位相が揃っている。
製品で使用しているレーザーは、人間の目が光として認識できない種類のレーザーです。レーザーが出ているか、どこに照射されているかは全くわかりません。そのため、人の目に入ってしまった場合でも、目を閉じる・背を向けるなどの防御反応を行うことができません。
自然な光と違い単一方向に進んでいくため、レーザー照射箇所から離れた場所であっても非常に危険です。全く減衰しないわけではありませんが、自然光とは異なり減衰しにくい特性があります。反射光も危険なものであるという認識の元、必ず対策を行ってください。
また、反射したレーザーに対しても注意が必要です。素材に対して照射したレーザーが反射し、床や壁などに当たった場合でも反射を繰り返していきます。不燃性の素材で製品の使用箇所を囲む、専用区画でのみ使用するといった対策が必要です。
目に対する障害
レーザーが網膜まで到達し、視力に影響が出る段階で初めて気が付きます。弱いパワーであっても、水晶体によってレーザーが一点に集中し永続的に視力に影響が出てしまう危険性があります。
レーザー機器の原理及び構造
レーザーは製品内部のレーザー発振器という部品でレーザーを生成しています。そのレーザーをケーブルやミラーを用いて照射口から照射させています。
レーザー発振器は使用していくとともに徐々に劣化していきます。製品によっては発振器の交換が必要となる場合があります。
レーザー機器の取扱い方法
レーザー機器は使用しているレーザーの種類・パワー等で、取り扱い方法が異なります。ここでは一般的な取り扱い方法、注意事項を紹介します。詳しい取り扱い方法については、使用する製品のマニュアルをご確認ください。
- 作業者は必ず付属の保護メガネを使用し、また、作業場所にいる周囲の人も保護メガネを着用してください。
- 専用の管理区画(部屋)を設け、レーザー光が外部に漏れないようにしてください。
- 管理区画入り口には、レーザー機器を使用していることがわかる警告表示灯などを取り付けてください。
- レーザーが照射された箇所は熱が発生するため、火災や爆発・破裂の原因となります。
- 本製品の近くに可燃性のものを置かないでください。
- 爆発性ガス、蒸気、ミスト、粉体、粉塵などが発生する可能性のある場所では絶対に使用しないでください。
- 作業場所の天井や壁は火花や高温から適切に保護されているか確認してください。
- 消火器を用意し、作業場所の近くに設置してください。
- マニュアルをよく読み、適切に使用を行ってください。マニュアルに記載されていない方法での使用は絶対に行わないでください。
- 弊社からの指示があった場合を除いて製品を改造・修理しないでください。
金属ヒューム、ガスに対する対策
- 製品使用時には少なからず金属ヒューム・ガスが発生します。2024年3月時点、法令等では規制対象外の製品ですが、今後対策が義務付けられる可能性があります。
- 金属ヒューム・ガスは人体に有害な物質のため、集塵機・換気設備の使用、防じんマスクの着用などで対策を行ってください。
安全装置及び保護具の性能、並びにこれらの取扱い方法
キースイッチの管理
本製品はキースイッチにより電源投入を行います。そのため、不使用時には鍵を抜いて適切に保管してください。製品の取り扱い方法を理解している者以外が勝手に使用できないよう、キーを挿したまま保管しないでください。
緊急停止ボタンの確認
本製品には緊急停止ボタンが搭載されています。正常に機器が停止するかの確認を定期的に行ってください。緊急停止が正常に行われない場合は弊社までご連絡ください。
保護メガネなどの管理
製品で使用しているレーザーの波長に対応しているものを使用してください。一般的なサングラス等では、レーザーをそのまま透過してしまうため使用しないでください。保護メガネはレーザー光を減衰させるもので、遮断できるものではありません。絶対にレーザーを覗き込まないでください。
レンズに傷がつかないように取り扱ってください。直射日光の当たらない常温の部屋、有機溶剤を使用しない場所で保管してください。定期的にクリーニング、破損していないかの確認を行ってください。清掃の際は、傷がつかないように柔らかい布やメガネ・レンズ用のクリーナーを使用してください。
レーザー光が保護メガネ等にあたり、破損した場合は使用しないでください。
保護メガネ等を落下させたり、強い衝撃を与えたことにより、傷や割れが発生した場合は使用しないでください。また、改造や破損部分の修復を行わないでください。
緊急時の措置及び退避
目に入った、皮膚に当たったとき
製品の電源を切り、速やかに医師の診断を受けてください。また、製品の安全管理責任者へ報告してください。
火災が発生したとき
製品に使用しているレーザーが燃えやすい素材へ照射・反射した場合は、発火や火災の危険性があります。火災が発生した場合は、速やかに電源を切り消火装置を用いて消火を行ってください。大規模になった場合は、消防署へ通報、避難を行ってください。
また、火災時の状況等を確認いたしますので弊社までご連絡ください。
安全衛生教育資料
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