焼け・歪みの少ない溶接が高速で可能
アーク溶接やTIG溶接はプラズマアークで発生した熱を使って溶接を行います。 一方ファイバーレーザー溶接機は、集光された「光」で熱を発生させます。 この光はとても小さい点のため熱が影響する範囲がとても狭く、溶接時の焼け・歪みを抑制することが可能(母材も熱くなりにくい)。 従来の溶接機よりも簡単にきれいな溶接ができます。
ファイバーレーザー溶接は他の溶接方法と何が違うのか、
主要な溶接方法と比べてみました。
ファイバー レーザー溶接 |
アーク溶接 (手棒溶接) |
CO2溶接 (半自動溶接) |
TIG溶接 | |
---|---|---|---|---|
溶接速度 | ◎ | ○ | ◎ | △ |
溶接部の綺麗さ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
溶接難度 | ◎ | △ | ○ | △ |
ガスの種類 | アルゴンガス等 | ガス不要 | 炭酸ガス | アルゴンガス等 |
対応可能な母材 | 鉄・ステンレス・ アルミ |
鉄・ステンレス | 鉄・ステンレス | 鉄・ステンレス・ アルミ・チタン・銅 |
溶材 | 溶接ワイヤー | 溶接棒 | 溶接ワイヤー | TIG溶接棒 |
ランニングコスト | ○
電力・ガス 電気代はTIG溶接に 比べ1/5 |
◎ 電力 | ○ 電力・ガス | △ 電力・ガス |
メリット | 初心者でも簡単に扱うことができ、仕上がりがキレイ。ランニングコストも安め。 | 製品が安価でガスも不要のため、導入しやすい。 | 自動で溶材が供給されるため、手棒に比べ高速かつ簡単に溶接が可能。炭酸ガスが安価のためランニングコストが安い。 | 薄い板や精密な溶接が可能。溶接後の仕上がりがキレイ。 |
デメリット | 他の溶接機に比べ初期費用がかかる。 | 溶接棒があまり長くないため長時間の溶接が不可。スパッタ(溶接時の火花)が多く発生する。 | スパッタが多く発生する。アルミのような非鉄金属には不向き。 | 溶接速度が遅いため、大量生産に向かずランニングコストが悪い。難易度が高く作業者の技術によって仕上がりに差が出てしまう。 詳しくはTig溶接機とファイバーレーザー溶接機の違いをご覧ください。 |
アーク溶接やTIG溶接はプラズマアークで発生した熱を使って溶接を行います。 一方ファイバーレーザー溶接機は、集光された「光」で熱を発生させます。 この光はとても小さい点のため熱が影響する範囲がとても狭く、溶接時の焼け・歪みを抑制することが可能(母材も熱くなりにくい)。 従来の溶接機よりも簡単にきれいな溶接ができます。
レーザー照射点をレーザーポインターで表示する機能や、母材に多少の隙間が空いていても溶接を可能にする「スイング機能」をはじめ、溶接をより簡単にそして安全に行うことができる様々な機能を搭載しています。詳しくはこちら。
熱による素材へのダメージが少ないため、初心者でも簡単かつキレイに溶接できるのがファイバーレーザー溶接機が誇るメリット。 トーチも持ちやすい形をしており、手軽に溶接が可能です。
従来の溶接に比べ電気代が1/5と圧倒的に安く、また、ファイバーレーザー発振器の寿命がとても長いため、長い期間安定して使用することが可能です。※TIG溶接と比較した場合
通常のレーザー照射に加えて、レーザーの照射点を左右に高速で動かすスイング機能を搭載。 この機能によりビード幅の調整や多少の隙間があっても溶接ができます(ワイヤー使用時で最大1mmの隙間に対応)。 スイングの幅は0〜5mmの範囲で設定することができます。さらに、横方向のスイングだけではなく、円や八の字を描きながら溶接を行うウォブリング機能を搭載したトーチ(オプション)を用意しています。
レーザーの出力を細かく設定することが可能なため、素材に合わせたより精細な溶接ができます。 出力も含めたパラメータを保存できるため、素材や作業者に合わせたそれぞれの設定を作成可能です。
ワイヤーを供給するフィーダー装置を標準搭載。
ワイヤーの供給量も自由に設定でき、肉盛溶接(隅肉溶接)が可能になります。
ワイヤー径は 0.6 / 0.8 / 0.9 / 1.0 / 1.2 / 1.6 mmに対応。
また、2本のワイヤーを供給するデュアルワイヤーフィーダーをオプションでご用意。より厚い肉盛溶接が可能です。デュアルワイヤーフィーダーの詳細はこちら。※デュアルワイヤーフィーダーはオプションのウォブリングトーチの購入が必須です。
レーザー光は火傷や失明の危険性があり大変危険なため、レーザーの誤照射を防ぐ仕組みが搭載されています。 専用のクランプを母材もしくは溶接台に取り付け、トーチ・母材・クランプが接触(導通)している場合のみレーザーが照射されます。
横方向のスイングだけではなく、円や八の字を描きながら溶接を行うウォブリング機能を搭載したトーチ。デュアルワイヤーフィーダーを使用する場合はこのトーチの購入が必須です。
通常1本のワイヤーを2本使用することでより厚い肉盛溶接を実現できます。デュアルワイヤーフィーダーの詳細はこちら。
ファイバーレーザー専用の保護メガネ。 レーザー光の侵入を防ぎます。 アーク溶接用の保護メガネや溶接面などはファイバーレーザー溶接機では不十分です。 標準で1つ付属しています。
遮光用の溶接面。保護メガネはレーザー光の侵入を防ぎますが、溶接時に発生する光の遮光機能がなくスパッタに対する保護もないため、 溶接面と保護メガネを同時に使用します。
ファイバーレーザー専用の溶接面。ファイバーレーザーの侵入を防ぎつつスパッタによる顔の火傷などを防ぎます。
SLW1500/2000は、出荷前に中国工場と日本工場の2拠点で検査を行なっています。主に中国工場では組み立てからレーザー発振器のエージングを含む出荷前検査を行い、日本工場では組み立て後の製品に異常が無いか、再度出荷前検査をしています。 下記では、日本工場で行なっている出荷前検査をご案内します。
検査を実施するために電源の接続や配線の確認をします。また、ネジに緩みが無いか等も確認します。
フィーダーにワイヤーを取り付け、レーザーをワイヤーに照射します。エネルギーが最も伝わる箇所である「焦点」で溶接できるよう、何度も照射を繰り返しながらノズルの位置を調整します。
一定期間電源を入れ続け、異常が発生しないか確認するエージング検査を行います。エージングは2日間行います。
溶接による焼けや歪みが少ないため、薄板板金の溶接に適しています。歪みが少なく高品質な溶接が可能です。
アシストガスなどご用意いただくものがいくつかあります。詳しくは本体以外に必要なものについてをご覧ください。
基本的にはレーザーの出力が違うのみです。ただ、SLW2000はオプションにウォブリングトーチやデュアルワイヤーフィーダーをご用意しています。詳しくはSLW1500とSLW2000の違いについてをご覧ください。
価格面:メーカー直販のため導入コストが低く、初期投資を早く回収できます。
性能面:自社でパーツひとつひとつを選定し耐久試験や性能検査を徹底して行うため、高品質な性能をご提供します。
サポート面:オンラインにて種類豊富な解説動画やマニュアルを公開しています。また、ご相談窓口は電話とメールで迅速に対応しています。
電気代+ガス費+消耗部品費となります。詳しくはランニングコストについてをご覧ください。
特に資格・講習は必要ございません。ただ、安全に使用するための注意事項をよく理解し使用する必要があり、またレーザ光の安全基準(JISC6802)に準拠する必要があります。
アーク溶接を行う場合、溶接ヒュームが健康障害をおよぼす恐れがあるため、健康障害防止対策が義務付けられています(労働安全衛生法施行令、特定化学物質障害予防規則)。
SLW2000はレーザー溶接のため上記法令・規則による義務はありませんが、少なからず溶接ヒュームが発生するため、集塵機や防じんマスクの使用、換気設備を整えることを推奨しております。
標準の1年保証に加え有償での延長保証をご用意しております。詳しくは保証についてをご覧ください。
出荷前に中国工場と日本工場の2拠点で検査を行なっています。主に中国工場では組み立てからレーザー発振器のエージングを含む出荷前検査を行い、日本工場では組み立て後の製品に異常が無いか、再度出荷前検査をしています。詳しくは出荷前検査についてをご覧ください。
セットアップや使用方法などを記載している専用のマニュアルがございます。またご不明点などございましたら、弊社専任スタッフが電話・メールなどでご案内いたします。(平日10:00〜17:00)
弊社ではスタッフがお客様のもとに赴いての修理やメンテナンスサービスは行なっておりません。予めご承知おきくださいますよう宜しくお願い申し上げます。
製品がお客様の元へ到着した日から1年間の無料保証がついております。万が一の故障や修理に関しては、軽微な場合はお客様に対応頂きますが、必要な工具や部品は弊社から無料で発送します。また、消耗品は初期不良の場合のみ交換させて頂きます(弊社スタッフがお客様に訪問して行う修理・メンテナンスは実施しておりません)。
重大な故障・不具合が発生した場合、製品を弊社に返送いただいての修理となります。故障箇所によっては修理に数日を要する場合がありますのでご注意ください。なお、修理期間中の代替機のお貸し出しを承ります(修理製品や代替機の往復送料はお客様負担となります)。
基本的にはオンライン上のマニュアルを確認いただきお客様自身で行っていただきますが、ご不明点は弊社専任スタッフが電話・メール等でご案内いたします。(平日10:00〜17:00)
SLW2000は間違った使い方をすると重大な人身事故を引き起こす可能性がある機器です。
安全に使用するための注意事項は数多くありますが、ここでは特に重要な事項を紹介します。
レーザー光が目に直接照射されると失明する恐れがあります。
レーザー光が人体に照射されると火傷や失明をする恐れがあります。
必ず専用の保護メガネや溶接面を着用してください。失明や視力低下の恐れがあります。
専用の管理区画(部屋)を設け、レーザー光が外部に漏れないようにしてください。
レーザー光が皮膚に当たると火傷の恐れがあり、可燃物に当たると火災が発生する危険性があります。
保護メガネ、保護手袋、長袖の服、防じんマスクを着用する。
金属ヒュームの吸引を防ぐため、集塵機などの換気設備を整えてください。
レーザー定格出力 | 2000W |
---|---|
レーザー波長 | 1080nm |
レーザー分類 | クラス4(JIS C6802) |
レーザー出力調整範囲 | 100〜2000W |
入力電源(電源周波数は購入時に選択) | 単相200V 50A |
冷却方式 | 水冷 |
繰り返し周波数 | 5〜5000Hz |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 585 × 1150 × 710mm |
重量 | 本体:115kg フィーダー:15kg その他:5kg 合計:135kg |
トーチ重量 | 0.7kg |
トーチケーブルの長さ | 9m |
推奨作業環境 | 温度:10~40度 湿度:70%以下 |
推奨保管環境 | 温度:5〜40度 湿度:70%以下 |
最大消費電力 | 10kW |
出力安定度 | ±1.5%(連続稼働時間:5時間以内、動作温度:24~26度の場合) |
動作モード | 連続 / 変調 |
溶接動作モード | 点 / 直線(オプションのウォブリングトーチ:円 / 半円 / 楕円 / 八の字 / 三角 ) |
溶接ワイヤー径 | 0.6 / 0.8 / 0.9 / 1.0 / 1.2 / 1.6 mm |
溶接ワイヤー重量 | 最大20kg |
溶接ワイヤー種類 | 自動・半自動用ソリッドワイヤー対応 |
フィーダーケーブル長さ | 本体からフィーダーまで:5m フィーダーからトーチまで4m |
対応アシストガス | 窒素・アルゴン(ステンレス溶接の場合はアルゴン推奨) |
ガス流量 | 15〜20L/分 |
※改良のため仕様変更する可能性がございます
本社体験スペースで実機を用いた「製品体験」、遠方で来社が難しい方にはビデオ通話で製品をご案内する「オンラインデモ」、そしてお持ちの素材を送るだけで加工結果がわかる「無料お試し加工」など、製品の理解を深めていただく機会を多数提供しています。
迅速なサポートと製品導入コストを優先するため訪問型のアフターサポートは行っていませんが、Webフォーム、お電話またはビデオ通話など、本社の専任スタッフがお客様のご希望の方法でサポートさせていただきます。不具合が発生した場合でも、代替機の用意や、また消耗品や修理部品も常に在庫があるため迅速に対応可能。安心して快適な加工ができるよう私たちが誠心誠意サポートします。
基本機能のご紹介やお客様からのお悩みに答える検証動画、また製品マニュアル等、すでにご利用中のユーザー様や、購入検討中の方にとって有益な情報を、YouTubeやメルマガで分かりやすく配信しています。
ソニー株式会社
オムロンスイッチアンドデバイス株式会社
電通株式会社 株式会社ブリヂストン
株式会社JVCケンウッド
ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社
キヤノン株式会社 ヤフー株式会社
株式会社キングジム 株式会社ニッセイエコ
三菱製紙株式会社 他多数