※最終更新日:2023年3月15日
みなさんこんにちは! ご存知の方も多いと思いますが、smartDIYsはレーザー加工機の開発・製造・販売を行っている会社です。レーザー加工機は様々な種類の素材を加工できますが、私達が販売しているレーザー加工機では金属を加工することができません。
今まで「金属の切断はできますか?」という質問を多くいただいていましたが「できません」と答えるしかなく……
そんな現状を打破するべく、私達は金属切断用加工機の開発に着手しました! Twitterに投稿したところ多くの方に反応いただきましたので、今回は開発中の加工機をご紹介しようと思います。
CNCプラズマカッター『PL950』が完成
本記事を2020年に公開して以来、私たちは開発と研究を重ね、2022年にCNCプラズマカッター『PL950』を販売開始いたしました。
一般的なハンドトーチ型のプラズマ切断機やCNCルーターと比較して、はるかに高速で高精度な金属切断ができるCNCプラズマ切断機です。
PL950の機能や性能について、詳しくは製品ページをご覧ください。
金属切断用プラズマ加工機とは?
レーザー加工機の中でもハイパワーで大型のものは金属加工を行うことができます(レーザーを発生させる媒体にもよりますが)。ですが、金属が切断できる加工機はかなり高額になり1000万円以上はあたりまえ、金属を精度良く加工するとなると5000万円〜1億円かかることもあります。
そんな高額な加工機はsmartDIYsのユーザー様のニーズには合っていませんし、そもそも開発できません(笑)
そこで、できるだけ安価に金属を切断できるようにするため、レーザーではなくプラズマ(プラズマカッター)を用いることにしました。
※開発中の加工機は金属切断用のため彫刻・刻印はできません。
プラズマカッターとは?
プラズマカッターはプラズマを用いて金属を切断する工作機器です。
プラズマ切断(プラズマせつだん)とは、プラズマ化した酸素や空気を母材に直接吹き付けることにより、瞬時に母材を溶解させ切断する方法である。プラズマジェットと呼ばれることもある。吹き付けられた場所の温度は数万℃にも達する。その構造上、水中でも充分な威力で使用できる。主に、ガス溶断を適用することができないステンレス鋼・アルミニウム合金の溶断の他、軟鋼の高速切断にも用いられている。
出典:ウィキペディア
簡単に説明すると、超高熱で金属を溶かして切断する工作機器ですね。通電するものならほとんど加工することができます。
加工機説明
そんなプラズマカッターを、レーザー加工機のようにデータを読み込むことでそのデータ通りに金属を切断できるようにしてみました。
見た目がこちら。
開発中のプロトタイプですが、加工エリアが150×100cmになります。中央についている筒状の部分が縦横に動き金属を切断します。機構的にはレーザー加工機とほぼ同じですね。
緑色の部分は不凍液を混ぜた水です。加工ベッドの下に水を張ることで素材の温度が高くなるのを防ぎ反りや変形を防ぎます。
また、プラズマカッターは切断と同時に空気を吹き付けることで溶かした金属を吹き飛ばす仕組みとなります。開発中の機種にもエアーコンプレッサーを繋いでいます。
看板制作
それでは会社の看板を作っていきましょう。
データはこちら。イラストレーターで制作しました。データの大きさは100×70cmで、文字の中心が抜け落ちないようステンシルフォントっぽくしています。こちらをdxfで保存しソフトウェアに読み込みます。
看板の材料は厚さ3mmの鉄。かなりの重量があります。
では、加工に入ります。
結構火花などが飛び散っていますね。加工時間は約4分ほどでした。
切り抜いた看板がこちら。結構キレイに抜けているのではないでしょうか。
こちらを磨いたりすれば完成です。
まとめ
皆様いかがでしたでしょうか。加工精度としては金属切断できるレーザー加工機に比べると劣りはしますが、使い方次第では十分魅力的な加工機になっているのではないでしょうか。
こちらの加工機は開発真っ只中のため仕様や販売価格など決まっていませんが、できるだけ早く、そして皆様が購入しやすい価格で提供できるよう努めてまいります。今後もこちらの加工機を使っていろいろと作っていきますのでお楽しみに。
…そして、こちらの製品は2022年にCNCプラズマカッター『PL950』として製品化いたしました。「金属の切断作業を効率化したい…」とお悩みのあなたにおすすめの製品です。
PL950の機能や性能については、製品ページをご覧ください。