今回は、サンプル加工でご依頼されたICの型名消去について解説します。レーザーカッターは作品を作る以外にも、元の刻印を消去するという活用方法もあります!回路のコピー防止に役立ちますね!
加工準備
こちらのICをFABOOL Laser Mini 3.5Wにて加工します。サイズは10×14mmと小さいものです。
まず、このICにピンポイントで刻印するために、ICの位置を厳密に決めなくてはなりません。しかし、FABOOL Laser Miniの位置合わせ機能(境界確認)はだいたいの位置しかわかりません。そこでこちら。スポンジシート(ダイソーにて入手)を使います。このスポンジシートをカットし穴を開け、そこにICをセットし刻印を行います。
装置が動かないように固定し(加工ベッドに固定しています)、スポンジシートをセットします。スポンジシートも動かないように、磁石で固定します。
スポンジシートをカットします。データはソフトウェアにプリセットとして入っている四角を組み合わせて作成しました。外枠の四角がスポンジシートをカットするもので、中の塗りつぶしてある四角がICに刻印をするためのものです。カットしたスポンジシートの穴の部分にICをセットすれば、ICにピンポイントで刻印できます(スポンジシートを動かさなければ)。スポンジシートをカットすると、溶けにより指定したサイズより若干大きくカットされるので、データは少し小さめにしてあります。
カットが終了しました。ちなみにこのスポンジシート、スピード100、パワー100、回数2回でカットできました。
ICへ刻印
それではICへの刻印をしていきます。ICをセットし(ここでシートを動かしてしまうと最初からやり直しです)、データの塗りつぶしの四角を使用して刻印を開始。パラメーターは、スピード2000、パワー100%、回数1、ピッチ0.2mmです。
加工結果がこちら。型名がしっかり消えていますね。5個加工した場合の加工時間はおよそ1分30秒でした。
ついでに、FABOOL Laser CO2でも刻印してみました。パラメーターは、スピード4000、パワー10%、回数1、ピッチ0.3mm、5個加工した場合の加工時間はおよそ40秒でした。
位置合わせが少し手間ですが、型名の消去は問題なくできました。皆さんも、ぜひ試してみてください。