皆さんこんにちは。
ファイバーレーザーマーカーには、標準の「Qスイッチ」と「MOPA型」という2種類の発信器があります。
Qスイッチの場合は、周波数が調整可能で、MOPA型の場合は、周波数とパルス幅の調整が可能です。※LM110FはQスイッチでLM110MはMOPA型です。
今回は、周波数とパルス幅を変更するメリットについてLM110Mで検証したのでご紹介します。
周波数とパルス幅の設定値
LM110MとLM110Fのパルス幅と周波数の設定可能値は以下になります。
【LM110M】
周波数 1~4000㎑
パルス幅 2~500ns
【LM110F】
周波数 30~60㎑
パルス幅 120㎱
ABS樹脂で検証してみました!
今回はファイバーレーザーで比較的綺麗に加工できるABS樹脂を使用しました。
加工データはsvg形式の弊社ロゴデータでハッチングは0.05㎜で設定しています。
周波数を変更するとどうなるか?
速度 1000mm/s
パワー 50%
パルス幅 150ns
周波数というのは、1秒間に繰り返す波の数(照射する点の数)のことを指します。
周波数を高くすると加熱量を抑えることができますが、高くしすぎてしまうと照射する一つ一つの点の熱量が低くなりすぎてしまい加工が薄くなってしまいます。
周波数を上げていくと延焼の影響で文字が太くなったりということはなく濃く綺麗に加工できます。
パルス幅を変更するとどうなるか?
速度 1000mm/s
パワー 50%
周波数 25㎑
パルス幅というのは、波の幅(時間幅)を指します。
パルス幅が低いほどレーザーが照射されるピーク時間が短くなり、熱影響が少なくなり、溶けを抑えることができます。
ただ、パルス幅を低く設定しすぎると波のピーク時間が短くなるので加工が薄くなってしまいます。
パルス幅をあげていくとピーク時間も長くなるので刻印が濃くなりました。
まとめ
検証の結果、周波数を高くしてパルス幅を低くした場合、照射される点の数は増えますが、波のピークの時間が短くなるので、一つ一つの点の加熱量は少なくならず加工され、さらに熱の影響を抑えることができるのでより細かい仕上がりを追求することができるということがわかりました。
周波数とパルス幅の組み合わせによって仕上がりが変わってきますので色々なパターンを試してみてください。
樹脂の種類によっては加工できないものもありますので是非お試し加工をご利用ください。