2022年05月10日

レーザーマーカーの種類|ファイバー・CO2・UVレーザーの特徴をご紹介します

※最終更新日:2023年3月17日

お手持ちの素材に刻印や印字をしたいときに使うレーザーマーカー。ひとことでレーザーといえど、レーザーの出力方法・汎用性・価格などにおいてバリエーションが様々あるため、どれを使えばいいのか迷うかもしれません。今回はそんなレーザーマーカーの種類についてレーザーを3つに分けてご紹介します。

  1. ファイバーレーザー
  2. CO2レーザー
  3. UVレーザー

どのレーザーも刻印や印字は可能で刻印速度も早いのですが、それぞれに得意・不得意とするところがあります。レーザーの持つ特徴と合わせてご紹介していきますのでぜひご参考ください。

そもそもレーザーマーカーとは?

レーザーマーカーは、対象物に対してレーザー光を照射し、ロゴや商品名、シリアル番号や2次元コードなどをラベリング・マーキングする機器です。

レーザーマーカーは、素材にレーザー光を当てることで、表面を削ったり、酸化させたり、変色させたり等することでマーキングをします。

レーザーマーカーの仕組み

レーザーマーカーには、レーザー光をスキャンする方法にマスク方式とスキャン方式の2種類あります。

マスク方式

レーザーマーカー マスク方式
レーザー光をマスクに通過させることで、特定の形状がマーキングされる仕組みです。マーキングしたい文字やデザインごとにマスクを用意する必要があるため、複数のパターンをマーキングする場合には手間やコストがかかるという短所があります。

スキャン方式

レーザーマーカー スキャン方式
レーザー発振器から照射されたレーザー光を、スキャニングミラーで走査して対象物に印字します。このミラーは、ガルバノミラーと呼ばれ、これを用いたシステムを『ガルバノスキャナ』と言います。

当社のレーザーマーカーはこのスキャン方式を採用し、高速かつ自由度の高いレーザーマーキングを提供しております。

なぜレーザーマーカーか?

従来のマーキングといえば、スタンプやラベル、インクジェットなど、経年劣化や濡れなどで、月日が経つと読めなくなったり、剥がれたりすることがありました。

しかし、レーザーマーカーは製品や部品そのものに刻印をするため、鮮明かつ耐久性が高いマーキングができることから、その重要性が高まっています。

それでは、当社で取り扱っているレーザーマーカー3種についてご紹介します。

種類1. ファイバーレーザーマーカー

ファイバーレーザーは、金属に対してのマーキングが得意なレーザーです。

刻印速度が早く、小型、高品質、高信頼性で、世界中で製造ラインに取り入れられています。メンテナンスが必要になるまで10万時間と言われるほど、耐久性に優れているのも特徴的です。

パーツのロット番号やバーコード、QRコードなどの印字によく用いられています。
ロット番号・QRコードの印字

ファイバーレーザーマーカーの種類

Qスイッチ型

一般的なファイバーレーザーの発信器であり最も安価なのがこのQスイッチという種類です。
smratDIYsで販売しているLM110Fというレーザーマーカーがこれにあたります。
LM110F
▲LM110F。幅425 × 奥行500 × 高さ644mmで机の上などにも置けます

▲ LM110Fのセットアップと加工手順の紹介動画。こちらの動画で大まかな手順がわかるので、ぜひご覧ください!

MOPA型

パルス幅と周波数の調整ができるのがMOPA型の大きな特徴です。

高機能な分、Qスイッチよりも高価になりますが、より多くの素材に対応でき、制御された低出力から高出力の印字ができます。そのためカラーマーキングも可能になります。

smartDIYsで販売しているLM110Mというレーザーマーカーがこれにあたります。
カラーマーキング
▲様々な色で刻印することができます(LM110Mを使用)

▲ LM110Mでステンレスにカラーマーキングをしてみました。見た目はLM110Fと変わりありませんが、レーザー発振器にMOPAレーザーを採用したことで、より細かくパラメータを調整することができるようになりました。

また、smartDIYsで販売しているLM110Cというレーザーマーカーの場合、使用用途に合わせてQスイッチ/MOPA型のカスタマイズが可能です。

LM110C
▲LM110C。レーザー発振器(Qスイッチ/MOPA型)の他、加工エリア(110×110mm/200×200mm/300×300mm)のカスタマイズも可能です。

ファイバーレーザーマーカーの長所・短所

長所

  • 金属へのマーキングに便利
  • 高寿命

短所

  • 一部の素材には適さない(木材、ガラス、布など)
  • CO2レーザーより高価
  • UVレーザーに比べて汎用性が低い

種類2. CO2レーザーマーカー

CO2レーザーはゴム・木・紙・ガラス・セラミックなどの有機素材に適応でき、アクリルやその他のプラスチックなどの透明な素材も加工が可能なレーザーです。

他のレーザーに比べて一般的に低価格なのもCO2レーザーのいいところ。金属管(RFと呼ばれる)が用いられたCO2レーザーだと寿命が長く、レーザー出力の品質が落ちることなく寿命まで一定に保たれます。

smratDIYsで販売しているLM140Rというレーザーマーカーがこれにあたります。
ペットボトルへロット番号を刻印
▲透明な素材(使用素材:PET)にもマーキングできるのがCO2レーザーの大きな特徴

LM140R
▲LM140R。加工エリアは140×140mmまたは300×300mmの2種類から選べます。

▲ CO2レーザーマーカー 【LM140R】ご紹介

CO2レーザーマーカーの長所・短所

長所

  • 透明の素材にもマーキングできる
  • 低コスト

短所

  • 金属へのマーキングが難しい
  • 他のレーザーに比べて寿命が短い

種類3. UVレーザーマーカー

UVレーザーは樹脂への刻印が得意なレーザーです。

ですが樹脂だけでなく、ガラス、テフロン、ダイヤモンド、金属までUVレーザーを使えばほとんどのものにマーキングできます。それはUVレーザーがファイバーレーザーやCO2レーザーと違い、熱によるマーキングプロセスではない(素材の化学結合を壊すことでマーキングする)ため、素材の熱変形(熱損傷)を生じさせないからです。

高価ではありますが、UVレーザーを使ったマーキングは非常に繊細で制御性が高いため繊細で正確なマーキングを行いたい場合にとても適しています。

smratDIYsで販売しているLM110Uというレーザーマーカーがこれにあたります。

ABS樹脂への刻印
▲ABS樹脂への刻印

LM110U
▲LM110U。本体サイズは幅500 × 奥行700 × 高さ707.5mmです。

▲ ファイバーレーザーマーカー 【LM110C】ご紹介

UVレーザーマーカーの長所・短所

長所

  • 幅広い素材へのマーキングが可能
  • 繊細で正確なマーキングに適している
  • 必要な電力が非常に少ない
  • 長寿命でメンテナンスフリー

短所

  • 切断や彫刻にはあまり適さない
  • 高価

レーザーマーカーの選び方一覧表

加工に用いる素材や、施したい加工方法によって、適したレーザーマーカーが異なります。ここではファイバー、CO2、UVの3種のレーザーによる違いと、当社の5種の機種別に選定の参考となるよう一覧表をご紹介します。

素材別

材質名 ファイバーレーザー CO2レーザー UVレーザー
金属 ×
樹脂 △ ※素材による。ABS、ポリカーボネートは向いている。
メッキ ×
透明 × △ ※ ガラスは加工可。基本的に透明素材は加工不可。
木材 × ○ ※3Wの場合加工時間が長い。
×
ゴム ×
皮革 △ ※加工可能な素材あり

表記中の○、△、×の判定は、対象物の状態・添加剤及び条件の設定によって異なります。代表例として参考にしてください。

加工種別

加工種別 ファイバーレーザー CO2レーザー UVレーザー
LM110F LM110M LM110C LM140R LM110U
印字
曲面印字 × ×
カラーマーキング × ×
※MOPA型は○
インライン対応 × ×

表記中の○、△、×の判定は、対象物の状態・添加剤及び条件の設定によって異なります。代表例として参考にしてください。

まとめ

いかがでしょうか?
レーザーマーカーのご購入を検討されている方は、マーキングしたい素材と費用に合わせて目的に合った機種を選んでいただくのがいいかと思います。

smartDIYsでも様々な種類のレーザー加工機をご用意しておりますので、ぜひ無料の製品資料を下記よりダウンロードしてみてください。ではまた次回のブログまで。

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